アジア連帯経済フォーラム
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 ここ数年の間に世界で、「連帯経済」という言葉をよく耳にするようになりました。
 この言葉は、21世紀におけるグローバリゼーションの進展に対応して、市民社会運動の側が2001年以降、毎年開催している「世界社会フォーラム(World Social Forum:WSF)」で用いられ始め、中南米、EUを中心にして国際的に急速に広がっています。
 経済のグローバリゼーションは、世界のごく少数に富を一極集中させる反面、随所で貧困層を増やし、人権を蹂躙し、環境の破壊をすすめています。市場経済化、自由化、開放経済化、そして「小さな政府」化の流れがすすむと同時に、世界大で「市場の失敗」と呼ばれるような格差の拡大、地域経済の沈下、天災や異常気象が絶えません。これら経済社会の歪みは、小さき者/弱い者へとさらなる負担を押しつけ、そこから戦争、紛争も絶えず起こってきています。まことに世界は残念ながら、平和からほど遠い状況にあります。
 こうした状況に対して、市民社会の側から提起されてきた市場経済の「失敗」チェックの概念が「連帯経済」です。「連帯経済」は、政府や市場に対して透明性、説明責任を監視し、政府に対しては公共政策、企業に対しては社会的責任の実行を促しています。他方で、市民社会の分野で社会的企業、コミュニティ事業、フェアトレード、NPO、市民金融、地域通貨、環境保全等の非営利活動をすすめ、自ら地域社会の民主化を通じた地域再生や雇用創出、人材育成、ジェンダー平等、そしてグローバル化時代に増大する外国人や「弱者」とされた人びとの社会的包摂と人権強化等の担い手として、経済社会活動の新たな展開をすすめています。

2007年、アジアで初めての 「連帯経済フォーラム」開催

 「連帯経済」はすでに、中南米、EU、アフリカ等で顕著な実績が積まれています。日本やアジア諸国でも自然発生的に多くの活動が生まれ、実践されています。しかしアジアではこれまで、世界社会フォーラムの場を除いては、「連帯経済」に関心を持つ人びとやその実践者の交流が欠けていました。
 そこで去る2007年10月、フィリピン・マニラにて第1回目の「アジア連帯経済フォーラム2007」が開催されました(2007年10月17日〜20日、於フィリピン・ケソン市 フィリピン大学(UP)ディリマン校にて。主催はフィリピンのCSR-SME(Asian Coalition for Socially-Responsible Small Medium Enterprises)。
 ここにはフェアトレード実践者、中小企業家、投資家、など多様な人びとが参加し、4日間にわたって会議と交流をおこないました。その最大の成果は、社会的企業者と社会的責任投資者との出会いの場という連帯経済の新しい次元が発足した他、アジア各地の様々な「連帯経済」の実践の交流が実現したことです。フォーラムの最後には、次回第2回目のフォーラムを2009年に日本で、また第3回目を2011にインドで開催することが決まりました。

2009年、日本での 「アジア連帯経済フォーラム」開催

 2009年の日本での「アジア連帯経済フォーラム」に向けて、私たちは「アジア連帯経済フォーラム2009」を結成し、同フォーラムの実現と成功に向けて、日本での連帯経済の経験の交流、中間総括、アジア諸国の市民経済部門との提携を一層強めたいと考えています。2008年4月25日に、同フォーラムの立ち上げ集会を開催し、多くの団体・個人の皆様にご参加いただけるよう動き始めました。
 協同組合、共済組合、労働組合、NPO/NGO、社会的事業、フェアトレード、市民金融、コミュニティ・ビジネス、市民活動等に携わっていらっしゃる皆さん、また自治体関係者や非営利活動にご関心をお持ちの皆さんには、ぜひご参加いただき、日本、アジア、そして世界における「連帯経済」の発展のためにお力添えをいただきたいと願っています。

【記事・資料一覧】
「もうひとつの世界は可能だ─連帯経済はネオリベラルなグローバリゼーションに対抗する」北沢洋子

「連帯経済について」北沢洋子

「連帯経済への展望」西川潤

「『連帯経済』こそ第三の道」ジャン・ポール・マレシャル

米国連帯経済ネットワーク(USSEN)による「連帯経済」の定義

「連帯経済への視点 一人だけでなく、みんなが食べられる世の中へ」ホルヘ・サンティアーゴ

「ポルトアレグレがつくる新しい世界──参加型民主主義と連帯経済の源流」小池洋一

「底辺から、実生活の中から新しい経済を創るための戦略」イーサン・ミラー

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